ギャラリー>大阪電気通信大学エレクトロニクス基礎研究所ワークショップ

117委員会が共催となった、大阪電気通信大学主催のワークショップレポート
《大阪電気通信大学エレクトロニクス基礎研究所ワークショップ》
 主催:大阪電気通信大学エレクトロニクス基礎研究所
 共催:日本学術振興会炭素材料第117委員会
 協賛:炭素材料学会、黒鉛化合物研究会、電気化学会関西支部
 2017年3月2日(木)13:00-17:50
 大阪電気通信大学駅前キャンパス
 講演9件 参加者:約40名

会告、および、当日配布の要旨集がダウンロード可能です。   →→→ 関連:(仮称)カーボン壁面空間研究会

****************

川口委員長の所属大学で行われている恒例のワークショップを、今年は117委員会共催で、「カーボン壁面空間の新しい科学」を主題に開催していただきました。

****************
 大阪電気通信大学の付属研究所、エレクトロニクス基礎研究所では定期的にワークショップを開催しています。今回は川口委員長の発案により、カーボン材料のワークショップが企画され、ワークショップのテーマ「カーボン壁面空間」に関連したトピックスをお持ちの方から、研究の話題提供が9件行われました。講師は全員、117委員会や炭素材料学会の中で中心となって活躍されている方ばかりになります。
 「壁面空間(wall space)」とは科学の分野ではあまり聞きなれない言葉ですが、部屋の間取りを考えたりするときに使われる言葉で、「壁際の利用可能な空間」を指します。部屋が広くても家具を置きやすい壁際のスペースが足りない、せっかく壁面はあっても通り道なので物は置けない、など悩んだ経験はみなさんもあるのではないでしょうか?単に「壁」「空間」という定義ではなく、全体で考えたときに「利用できる」ということが重要な意味を持っています。そして、この言葉はカーボン材料の研究における考え方によく当てはまることに気づきます。例えば、グラファイトや活性炭のようなカーボン材料には、リチウムを挿入する界面(空間)やイオンを吸着する表面(壁面)があり、その効率的な利用によりリチウムイオン二次電池負極やキャパシタの電極としてすでに応用されています。また、この空間や表面を形成するのがグラフェンを最小単位とする主として炭素からなる「壁」であり、カーボン材料はこの壁面の集合体と言えます。すなわち、壁の集合体を「部屋」として間取りを考え有効活用するときは、この「壁面空間」という考え方で壁とその近傍の空間を一体で活用することが重要となります。電池やキャパシタでは炭素の壁そのものの物性が重要であるのと同時に、その壁の近傍の空間で起こる化学現象の制御が共に必要になります。細孔のような「空間」や、壁に該当する「表面」についてはこれまでも炭素材料科学の重要な要素として取り上げられてきましたが、新たに「壁面空間」というものの見方を導入して、壁と空間をより明確に一体で考えていく方向性を、奥の深いカーボン研究につなげたい、という意図を込めつつ、本ワークショップでは、カーボン材料をナノレベルの壁面の集合体という観点で意識し、特に、新しい壁面を持つカーボン材料の設計・調製、その壁面の評価・解析、及びその材料の応用について考えました。
 講演では、レドックスフロー電池、燃料電池、キャパシタ、グラフェン、イオン篩、異種原子置換カーボンなどの話題提供がなされ、カーボン壁面と空間にまつわる様々なトピックスが報告されました。講演後は意見交換会も開催され、講演者と参加者相互で活発な議論が続けられました。


川口委員長ご講演、および、講演会場の様子。

****************
本ワークショップで取り上げた「壁面空間」という概念については、炭素材料に関する新たな研究の潮流を起こすべく、独自の研究会の発足を検討することになりました。活動については、順次このHPでも取り上げていきます。

※写真は、大阪電気通信大学広報部にご提供いただきました。